理解の秘密

【著者】リチャード・ワーマン【訳】松岡 正剛 【出版社】NTT出版 【発刊年月】1993年6月
【本体価格】2800円 【ページ数】321P

われわれの日々のコミュニケーションの大半を占めているのは、 相手に何かを伝えるための会話である。 そのまた大半はごく短い言葉ですまされている指示である。ところが、本書の随所に例示されているように、このちょっとした指示や伝達がうまくいかない。「わかったね?」 「ええわかりました」 というやりとりは必ずあるのだが、いっこうに理解してもらえなかったということが多い。 人間のコミュニケーションはディスコミュニケーションを前提にして発達したとしか思えなくなってくる。
同書 P314から引用

説明の上手な人がいる。話のうまい人がいる。たった1言2言で、周囲の人たちを説得させることの出来る人がいる。方や、言葉を尽くせば冗長になり、言葉を少なくすれば、言葉足らずの説明になってしまう人もいる。さて、こういった違いはどこからうまれるのだろうか?

冒頭で引用した文章にあるように、私達のコミュニケーションは、常にディスコミュニケーションの状態が付きまとう。今週紹介する1冊は、コミュニケーションの言動力ともいえる「インストラクション」の上手下手が、コミュニケーション能力を左右すると説明している本だ。指示、命令、依頼、伝達、説明という仕事上に欠かせないさまざまなアクションをいかに効率よく、的確に行えるか。この点は、ビジネスマンとしてキャリアを積んでいく時、非常に重要なことだ。そしてそのためのヒントを与えてくれるであろう書籍がこの『理解の秘密』だ。

「伝わらない人生-あなたは理解されていますか?」

という目次の言葉から始まる第1章、そしてコミュニケーション、パーソナリティー、言葉のマネジメント、コミュニケーションを破壊するものとしてのディストラクション、エンパワーメントと、様々なテーマをイントラクションという切り口から説明しているので、その人が抱えている問題に応じて、様々な面から回答を与えてくれるはずだ。

読むたびごとに新しい発見に触れることのできるこの書籍。そんな豊富な内容を持つこの『理解の秘密』を是非皆様に手にとって頂ききたい。部下を持つ全ての人、そして、指示下手の上司を持つ全てのビジネスマンにもオススメの1冊だ。