藤田田社長が高橋徹教授にIT特別講義を受ける
【著者】藤田田/高橋徹
【出版社】KKベストセラーズ
【発刊年月】2001年05月30日【本体価格】1,450円【ページ数】238p
【ISBN】4-584-18610-3
高橋 ファックスでやるよりも、インターネットのほうが安くたくさん送れる、情報量も多いし。
藤田 ファックスだと、先生、紙一枚送ればいいんでしょう。これを自分で打つとなればたいへんじゃないですか。
本書 51p より抜粋
藤田田と言えば、日本マクドナルドの社長。高橋徹と言えば、インターネット協会の副会長。稀代の経営者がインターネットの第一人者に、ITとは「本当に儲かるのか」という視点で講義を受けたのが、本書である。インターネットについての解説書としては、入門レベルにも満たない。しかし、裏読みすればなかなか面白い本である。
本書は4つのパートに分かれている。最初に「インターネットとパソコンはどういう関係にあるのですか?」として、インターネット関係周辺事情を、解りやすく紹介している。以下、「デジタルデバイド(情報格差)をどうしたら埋められますか?」「ITを使って儲けるにはどうすればいいのですか?」「IT革命の最先端をきって何かやれることはないですか?」と続く。
いずれのコラムも、本誌の読者にとって知らないことはないレベルの内容である。では、何故本書を勧めるのか…理由は二つある。一つは、インターネットにさほど詳しくない上司などに、インターネットについて解説するためのガイドラインとして利用するのだ。この程度に噛み砕いて説明すればわかるのだなと。その基準として本書は最適である。
そしてもう一つは、企業のトップの視点、特に藤田田というオリジナリティ溢れた経営者が考えるITを知ることが出来る。ITで何が出来るか、というよりも、関連企業を知りたがる(=株式投資のためだろう)、自分が使えなくても、自らの店舗での儲ける手段として利用できないか常に考えている…一般のビジネスパーソンとは、まるで見ているところが違う。
本書の圧巻は、マクドナルドの店舗においてシンガポールのチャンギ空港のように、無線LANを利用して、お客がインターネットを利用できるようにしないかと、提案する高橋教授の話を受けて、藤田社長が自社のIT担当を呼ぶシーンである。良い話なのでぜひ社員に講義してやってください、と請うも、講義された社員が冷静に対応している。その応酬が手に汗を握る。理想論と現実がぶつかる瞬間で、かなり興味深い。
店頭で手にとって、そのシーン(189ページから始まる)を読んでみて欲しい。今からでもすぐパソコンが利用できますよ、と説く教授に、なるほどそれくらいカンタンに取得できるならいいなぁ、と言いながら、実はまったくやる気がない社長など、ツボは満載である。ってなんか息抜き本の紹介みたいですが…。実は奥が深い本である。貴方のIT関連の提案が受け入れられない理由、わかったりしますよ。
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